掲載日:2018年11月26日

【関戸のFFP日誌 vol.4】DAY4「それは本当に評価しないといけないこと?」

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Day 4「評価」
・前回の復習
・目的・目標の提示
・評価の意義
・評価の基礎知識(総括的評価と形成的評価)
・ルーブリック(ルーブリックの作成演習)
・振り返り

一般に評価といって想起されるイメージは、学生にとっては合否を決めるための「最後の審判」であり、教員にとっては面倒なペーパーワークであったりします。このイメージを学習者にとっては学びを支援する「伴走者」「羅針盤」、教員にとっては学習者の理解を確認しながら授業を改善するための「教育活動の支援のツール」というイメージに変えて欲しいという講師のメッセージから今回の授業は始まりました。

評価には総括的評価と形成的評価があります。期末試験のように学習終了後に成績評価のために使うのが総括的評価、学習中に学習活動を支援する目的で行うのが形成的評価です。形成的評価は馴染みのある言葉でフィードバックと言い換えても良いかも知れません。総括的評価だけですと、評価がゴールになってしまい、学習者にとっては試験一発勝負、試験が終われば後は学んだことを忘れていくだけになってしまいます。こうならないよう「評価がスタート」になり、学習者が学び続けるために必要なのが形成的評価です。

授業後半は、形成的評価のツールであるルーブリックをグループで作成しました。多くのグループから「この課題でこの観点は評価するべきこと?」「なんだか形式的になり過ぎて、本来評価したいことが評価できなくなっていない?」などという声が聞こえてきて「どんな学びを促したくて評価をしているのか?」を教員が問い直す教育改善のツールとしてのルーブリックの役割が受講者に伝わっているのを感じました。

「学びを促す」という目線で評価を見直すと、それがルーブリックであれ試験であれ「それは本当に評価しないといけないことか?」という問いに向き合わないといけません。「これが絶対正しい」「これで完璧」という評価も授業も無いからこそ、終わることのない改善を続けて行く、教育改善とは、講師の言葉を借りると「サグラダ・ファミリアを作り続ける」ようなもののようです。